ハーブ

タイムの植え付けと育て方のコツ!挿し木や株分けで効率よく増やす方法

「せっかく買ったタイムの苗が、いつの間にか茶色くなって枯れてしまった」そんな経験はありませんか?タイムは料理や香りで大活躍するハーブですが、日本のジメジメした気候が少し苦手です。この記事を読めば、初心者の方でもタイムを元気に育て、挿し木や株分けでどんどん増やすコツがわかります。

タイムを元気に育てる植え付けのコツ

買ってきた苗をいきなり庭に植えて、数日で枯らしてしまった経験はありませんか?実はタイムは、最初の「お家作り」さえ間違えなければ、放っておいても育つほど強い植物です。元気に育てるためには、植える時期と苗同士の間隔、そして土の準備がすべてと言っても言い過ぎではありません。

3月から5月の春が植え付けのベストシーズン

タイムを新しく植えるなら、暖かくなり始めた春の時期が一番のおすすめです。気温が15度から25度くらいで安定していると、植え付けた後の根っこがぐんぐん伸びて、新しい土地にすぐ馴染んでくれます。

秋の9月から10月も植えられますが、冬の厳しい寒さが来る前にしっかり根を張らせる必要があります。まずは失敗の少ない春に挑戦して、タイムが勢いよく育つ様子を感じてみてください。

  • 気温が15度から25度の時期を選ぶ
  • 真夏や真冬の植え付けは避ける
  • 曇りの日の夕方に作業すると苗が疲れにくい

苗と苗の間は20cmから30cmあけて風を通す

タイムの苗をいくつか並べて植えるときは、少しもったいないと感じるくらい隙間をあけるのがコツです。タイムは横に広がって育つ性質があるため、最初から密集させてしまうと、成長したときに株の中が蒸れてしまいます。

風の通り道を作ることで、カビや病気を防いで健康な葉っぱを維持できます。苗と苗の間は20cmから30cmほど離して、風がスッと通り抜けるようにゆとりを持って植えてください。

  • 20cmから30cmの間隔をキープする
  • 成長後の広がりをイメージして場所を決める
  • 密集すると蒸れて下の葉が枯れやすくなる

水はけの良い土を用意して根腐れを未然に防ぐ

タイムが一番嫌うのは、いつまでも土がジメジメと湿っていることです。根っこが呼吸できなくなり、すぐに根腐れを起こしてしまいます。市販のハーブ用培養土でも育ちますが、自分で土を混ぜるとさらに元気に育ちます。

赤玉土という粒状の土に、腐葉土と川砂を混ぜるだけで、水がスッと抜ける最高の土になります。水はけを劇的に良くするために、以下の割合で土をブレンドしてみるのがおすすめです。

土の種類配合の割合役割
赤玉土(小粒)6根を支えて適度な水分を保つ
腐葉土3土をフカフカにして栄養を与える
川砂1余分な水を素早く排出する
  • 水はけを最優先に考える
  • 古い土を使うときは熱湯消毒などでリセットする
  • 鉢植えなら鉢底石をしっかり敷き詰める

地植えなら事前に苦土石灰を混ぜて土を整える

お庭の地面に直接植える場合は、土の「酸性度」をチェックしてみてください。日本の土は雨の影響で酸性になりやすいのですが、タイムは少しアルカリ寄りの土を好むという特徴があります。

植える2週間くらい前に「苦土石灰」をパラパラとまいて混ぜておくだけで、タイムにとって居心地の良い環境に変わります。1㎡あたり100gから150gを目安に苦土石灰を混ぜて、土の質を優しく整えてあげましょう。

  • 植え付けの2週間前に苦土石灰を混ぜる
  • 1㎡あたり100gから150gが目安
  • 雨上がりなど土が湿っているときを避けて作業する

タイムが好む場所と日当たりの育て方

「どこに置けばいいかわからない」と迷ったら、とにかく太陽の光と風通しを意識してください。タイムは地中海沿岸が故郷の植物なので、カラッとした明るい場所が大好きです。置く場所を少し工夫するだけで、香りの強さや葉の色が驚くほど良くなりますよ。

1日6時間以上は日光が当たる場所を選ぶ

タイムを丈夫に育てるためには、太陽の光が欠かせません。日陰でも枯れはしませんが、日光が足りないと茎が細く伸びきってしまい、ハーブらしい良い香りも弱くなってしまいます。

ベランダやお庭の中で、一番長くお日様が当たっている場所を探してあげてください。最低でも1日に6時間は日光が当たる場所に置くことで、葉が密集したガッシリとした株に育ちます。

  • 1日6時間以上の日当たりを確保する
  • 日光が足りないと茎がひょろひょろに伸びる
  • 香りを強くしたいなら直射日光をしっかり当てる

湿気を避けるために風が通り抜ける環境を作る

タイムにとって湿気は天敵と言える存在です。空気がこもる場所に置くと、株の根元に湿気がたまり、あっという間にドロドロに溶けるように枯れてしまうことがあります。

地面に直接置くよりも、フラワースタンドなどを使って少し高い位置に置くと、下からも風が通るようになります。風が自由に通り抜ける環境を作ることで、夏の暑さや湿気からタイムを守ることができます。

  • 空気が循環する開けた場所に置く
  • 棚やスタンドを活用して床から離す
  • 壁際にぴったりくっつけず隙間を作る

鉢植えの場合は雨が続く日に軒下へ移動させる

鉢植えで育てているなら、天候に合わせて場所を変えてあげられるのが大きなメリットです。特に梅雨の時期や長雨が続くときは、タイムにとっては過酷な環境になります。

雨に当たり続けると土が乾く暇がなくなり、根っこが傷んでしまいます。雨の日が続く予報のときは、雨の当たらない軒下や屋根のある場所に避難させてあげてください。

  • 長雨のときは軒下へ移動させる
  • 鉢の中に水が溜まりっぱなしにならないようにする
  • 雨上がりの急な直射日光による蒸れにも注意する

コンクリートの照り返しが強い場所は避ける

ベランダで育てる際に注意したいのが、コンクリートからの熱です。夏場のベランダは想像以上に熱くなっており、床に直接鉢を置くと、タイムの根っこが熱で茹で上がったようになってしまいます。

照り返しを防ぐためには、すのこを敷いたり、二重鉢にしたりして熱を遮断するのが有効です。夏の熱い時期はコンクリートの熱が直接伝わらないように工夫して、タイムの足元を涼しく保ちましょう。

  • コンクリートに直接鉢を置かない
  • すのこやレンガの上に置いて隙間を作る
  • 真夏は午後の強い日差しを遮光ネットで和らげる

失敗しない水やりと肥料の与え方のコツ

水やりと肥料は、「やりすぎない」ことが一番の成功の近道です。可愛がりすぎて毎日水をあげたり、早く大きくしたくて肥料をたっぷり入れたりするのは、実はタイムにとって逆効果になることが多いのです。タイムが自力で頑張れる環境をサポートする、そんなイメージで接してあげてください。

土の表面が白く乾いてからたっぷり水をあげる

タイムの水やりは、土がしっかり乾いたことを確認してから行うのが鉄則です。常に土が湿っている状態だと、根っこが酸欠を起こして腐ってしまいます。

土を指で触ってみて、表面がカサカサに乾いて白っぽくなっていたら、それが水やりのサインです。鉢の底から水が流れ出てくるくらいたっぷりとあげて、土の中の古い空気を入れ替えてあげましょう。

  • 土の表面が白く乾くまで水はやらない
  • あげる時は鉢底から出るくらいたっぷりと
  • 受け皿に溜まった水は必ず捨てる

肥料をあげすぎると香りが弱くなるので注意する

ハーブ全般に言えることですが、肥料をたくさんあげて甘やかすと、香りの成分が少なくなってしまいます。ひょろひょろと茎だけが伸びて、肝心の葉っぱの香りが薄い残念なタイムになってしまうのです。

もともと痩せた土地でも育つ植物なので、植え付けるときに少し栄養があれば十分です。香りの良いタイムを収穫したいなら、肥料は控えめにして、少し厳しい環境で育ててみてください。

  • 肥料をあげすぎると香りがボヤけてしまう
  • 葉が黄色くなるなど栄養不足のサインがある時だけ使う
  • 基本的には植え付け時の土の栄養だけで育つ

春と秋にゆっくり効く固形肥料を少量だけ置く

もし成長がゆっくりすぎて心配なら、植物が元気に活動する春と秋にだけ肥料を足してあげましょう。ゆっくりと溶け出すタイプの固形肥料を、株元から少し離れた場所に数粒置くだけで十分です。

夏休みや冬休みの時期は、タイムも成長を休めるので肥料は必要ありません。3月と10月の過ごしやすい季節にだけ、ご褒美として少量の肥料を添えてあげるのがベストなバランスです。

  • 3月と10月の年2回だけ肥料をあげる
  • ゆっくり効く緩効性肥料(固形)を数粒置く
  • 株の根元に直接触れないように端の方に置く

夏場は土の温度が上がらない早朝か夕方に水をやる

夏の水やりで絶対にやってはいけないのが、昼間の熱い時間帯に水をかけることです。熱せられた土に水が入ると、鉢の中がまるで熱いお風呂のような状態になり、根っこが大ダメージを受けてしまいます。

夏は太陽が昇りきる前の涼しい早朝か、気温が下がってきた夕方以降に水をあげてください。水を与える時間を工夫するだけで、夏の厳しい暑さを乗り切れる確率がグンと上がります。

  • 夏の水やりは早朝か夕方の涼しい時間に行う
  • 昼間の熱い土に水をかけるのは厳禁
  • 葉っぱに水がかかると蒸れやすいので株元にそっとあげる

梅雨の蒸れを防ぐための育て方と剪定

日本でタイムを育てる上で、最大の難所は6月からの梅雨です。雨続きで空気がジメジメすると、密集したタイムの株の中はサウナ状態になってしまいます。この時期に「髪の毛を散髪する」ようなイメージで枝をカットしてあげることが、夏を越させるための重要な鍵となります。

6月の梅雨入り前に株全体をバッサリ切り戻す

梅雨が来る前に、一度思い切って株全体を短く切り揃えましょう。これを「切り戻し」と呼びます。もったいないと感じるかもしれませんが、このまま梅雨に入ると中から蒸れて、結局すべて枯れてしまうことが多いのです。

地面から5cmから10cmくらい残して、バッサリとカットしてしまいましょう。梅雨の湿気が来る前に株を半分くらいの高さまで切り戻すことで、風通しが良くなり、新しい芽も出やすくなります。

  • 梅雨入り前の6月上旬に作業する
  • 株全体の3分の1から半分くらいの高さまで切る
  • 切った枝は料理や香りに活用できる

地面に近い場所の葉をすいて風通しを確保する

タイムは地面に近い場所ほど湿気がたまりやすく、葉っぱが黒ずんできやすいものです。特に地面を這うように育つ種類の場合は、下の葉が土に触れているとそこから傷み始めます。

混み合っている枝を間引いたり、下のほうの葉っぱを少しむしってあげたりして、土が見えるくらいスッキリさせてください。株の根元に空気がスッと入るように「隙間」を作ってあげることが、病気を防ぐ一番の対策になります。

  • 密集している枝を根元から数本カットする
  • 土に触れている下の葉を丁寧に取り除く
  • 株をのぞき込んだときに土が見える状態を目指す

枯れた葉や黄色くなった部分はこまめに取り除く

株の内側を観察して、黒くなったり黄色くなったりしている葉を見つけたら、すぐにつまんで取り除きましょう。これらは終わった葉っぱで、そのままにしておくとカビが発生する原因になります。

特に雨の後は葉っぱがくっつきやすいので、手で優しくほぐしてあげてください。傷んだ葉をこまめに掃除して清潔に保つことで、株全体の健康状態が良くなり、香りの良い葉が次々と育ってくれます。

  • 黒ずんだ葉や枯れた枝は見つけ次第取り除く
  • 雨上がりに株の中をチェックする習慣をつける
  • ピンセットなどを使うと奥の方まで掃除しやすい

木質化を防いで新しい芽が伸びやすい状態を保つ

剪定をせずに放置していると、タイムの茎の根元が茶色く硬くなり、まるで木の枝のようになってしまいます。これを「木質化」と言いますが、こうなると新しい緑の芽が出にくくなってしまいます。

定期的に枝先を収穫したり、切り戻しを行ったりすることで、常に柔らかい緑の茎を保つことができます。根元がカチカチの木になる前に若返りの剪定を繰り返して、いつでも新鮮なハーブを収穫できる状態をキープしましょう。

  • こまめに収穫を兼ねて枝先をカットする
  • 根元が茶色く硬くなる前にハサミを入れる
  • 木質化してしまったら、そこから新しい芽が出るように深く切りすぎない注意が必要

挿し木でタイムを効率よく増やす手順

お気に入りのタイムをもっと増やしたいなら、「挿し木」が一番簡単で確実な方法です。ハサミと少しの土があれば、誰でもクローンを作るようにタイムを増やすことができます。新しい苗を買わなくても、1つの株から何十個もの小さな苗を作ることができるので、ぜひ挑戦してみてください。

勢いのある若い茎を5cmから10cmの長さで切る

挿し木に使う枝は、先端のほうにある緑色が鮮やかで元気なものを選びます。茶色く硬くなった古い茎よりも、柔らかくて勢いのある若い茎のほうが、根っこが出るパワーが強いからです。

ハサミで斜めにスッと切り取って、長さを5cmから10cmくらいに揃えます。元気な枝を選んで10cmほどカットすることで、根が出るまでの体力をしっかり温存した「挿し穂」ができあがります。

  • 先端の柔らかく緑色の濃い枝を選ぶ
  • 長さは5cmから10cm程度にする
  • 切り口を潰さないように清潔で切れるハサミを使う

下の方についている葉を丁寧に取り除く

切り取った枝の、下半分についている葉っぱはすべて手で取り除いてください。この部分は土に埋まる場所なので、葉っぱがついたままだと土の中で腐ってしまい、根が出るのを邪魔してしまいます。

一番上のほうに数枚だけ葉を残しておけば、光合成をして根を出すエネルギーを作ってくれます。下の葉をきれいに取り去り、茎を一本の棒のような状態にすることで、スムーズに土へ挿せるようになります。

  • 茎の下半分についている葉を全部取る
  • 上の葉は3〜4枚だけ残して負担を減らす
  • 葉をむしる時は茎を傷つけないように優しく行う

肥料の入っていない清潔な土に挿して日陰で管理する

挿し木を成功させる最大のポイントは、使う土に肥料を入れないことです。赤ちゃんのような新しい根っこにとって、肥料は刺激が強すぎて毒になってしまいます。バーミキュライトなどの清潔な土を使いましょう。

あらかじめ湿らせた土に割り箸などで穴を開け、そこへ優しく枝を挿し込みます。肥料のない真っさらな土に挿して、直射日光の当たらない明るい日陰に置くことで、タイムが安心して根を出せる環境が整います。

  • バーミキュライトや挿し木専用の土を使う
  • 直接挿さずに、先に穴を開けてからそっと入れる
  • 根が出るまでは風の当たらない静かな場所に置く

根が出るまでは土が乾かないように霧吹きで保湿する

挿し木をした直後は、まだ水を吸うための根っこがありません。土が完全に乾いてしまうと、枝の中の水分がなくなって枯れてしまうので、最初の2週間くらいは注意が必要です。

霧吹きでシュッシュと水をかけて、土と葉っぱの周りの湿度を保ってあげましょう。10日から2週間ほど経って、新しい芽が動き出したり、軽く引っ張って抵抗を感じたりしたら、無事に根っこが出てきた証拠です。

  • 土を常にしっとりした状態に保つ
  • 霧吹きを使って優しく水を与える
  • 根が出るまでは絶対に肥料をあげない

株分けでタイムを安全に増やす方法

挿し木よりももっと手っ取り早く、大きな株を増やしたいなら「株分け」が最適です。これは文字通り、大きくなった親の株をいくつかに分割して、それぞれを別の苗として植え直す方法です。株を若返らせる効果もあるので、何年も育てていて元気がなくなってきた株にもおすすめのテクニックです。

植え替えと同じ3月か10月に作業を行う

株分けは、植物にとって一度体をバラバラにされるような大きなイベントです。そのため、真夏や真冬のような厳しい時期に行うと、ダメージから立ち直れずに枯れてしまうことがあります。

一番体力が充実していて、気候も穏やかな3月か10月を選んで行いましょう。暑すぎず寒すぎない過ごしやすい季節に作業することで、分けた後の新しい株がスムーズに根付いてくれます。

  • 春の3月〜4月、または秋の10月に行う
  • 晴天が数日続くタイミングを狙う
  • 花が咲いている時期は避けて、株が休んでいる時に行う

掘り上げた株を根っこごと手で2〜3個に分ける

まずは親株の周りをスコップで丸く掘り起こして、根っこを傷つけないように優しく持ち上げます。根についた土を軽く落として観察すると、自然に分かれそうな境目が見えてくるはずです。

その境目を目安に、手でゆっくりと、あるいは清潔なハサミを使って2つから3つに切り分けます。それぞれの塊にしっかりと根っこがついていることを確認しながら、無理な力を入れずに丁寧に切り分けてください。

  • 根っこをできるだけ長く残して掘り上げる
  • それぞれの株に根が均等につくように分ける
  • ハサミを使う場合は、あらかじめ火やアルコールで消毒しておく

根を傷めないように優しく新しい場所に植え直す

分け終わった株は、乾燥に弱いので、できるだけ早く新しい鉢や地面に植えてあげましょう。植える深さは、もともと親株が植わっていた深さと同じにするのがポイントです。

あまり深く植えすぎると、今度は茎の根元が腐りやすくなるので注意してください。根っこの間に土がしっかり入り込むように、指で優しく押さえながら植え付け、最後にたっぷりと水をあげましょう。

  • 分けた後は時間を置かずにすぐ植える
  • 植える深さは元の株と同じ「浅植え」を意識する
  • 根の間に隙間ができないように土を馴染ませる

分けた直後は直射日光を避けて根付くのを待つ

植え付けが終わったら、しばらくの間はタイムに「入院」してもらうような気持ちで見守りましょう。根っこが土に馴染んで水を吸い上げる力を取り戻すまでには、1週間ほど時間がかかります。

いきなり強いお日様に当てると、葉っぱから水分が蒸発してしおれてしまいます。最初の1週間は風通しの良い明るい日陰でゆっくり休ませて、葉っぱに張りが戻ってきたら徐々にお日様に慣らしていきましょう。

  • 1週間程度は日陰で管理する
  • 水やりを欠かさず、土を乾かしすぎないようにする
  • 新しい葉っぱが出てきたら「根付いた合図」として日光に当てる

タイムが枯れる原因と知っておきたい解決策

「普通に育てているつもりなのに、なぜか枯れてしまう」という悩みは多いものです。タイムが枯れるときには必ず理由があり、そのほとんどは日々のちょっとしたお世話の癖に隠れています。よくある失敗のパターンを知っておけば、早めに対策をしてタイムを救い出すことができますよ。

水を頻繁にあげすぎると根腐れを起こす

タイムを枯らす原因のナンバーワンは、水のやりすぎです。土がまだ湿っているのに、「なんとなく心配だから」と毎日水を足してしまうと、根っこが常に水に浸かった状態になり、窒息して腐ってしまいます。

一度根腐れが始まると、葉っぱがしおれてくるため、さらに水をあげてしまうという悪循環に陥りやすいのです。「土が乾くまで待つ」という勇気を持つことが、タイムを根腐れから守る最強の解決策になります。

  • 土の表面が完全に乾くまでは絶対に水をあげない
  • 受け皿の水を放置しない
  • しおれている時に土が湿っていたら、水やりではなく乾燥させる

夏の高温多湿で株の中が蒸れて黒くなる

「昨日まで元気だったのに、今日見たら株の真ん中が真っ黒になっていた」これは典型的な蒸れによるトラブルです。日本の蒸し暑い夏は、タイムにとって一番の試練です。

密集した葉の間に熱気がこもると、そこから一気に細菌が繁殖して黒ずんでしまいます。夏の蒸れを防ぐには、先ほどお伝えした「梅雨前のバッサリ剪定」を行い、株の中の風通しを最大限に良くしておくしかありません。

  • 株の内側の葉が黒くなったらすぐ取り除く
  • 風通しの良い場所に移動させる
  • 夏の間はとにかく「涼しさ」を優先する

冬の厳しい寒さや霜に当たると葉が傷む

タイムは寒さには比較的強いほうですが、冷たい北風に長時間さらされたり、霜が何度も降りたりすると、葉っぱが茶色くなって傷んでしまいます。特に小さな苗や、植えたばかりの株は寒さに弱いです。

雪が積もるような地域では、冬の間だけ室内に入れたり、地面にマルチング(わらや腐葉土を敷く)をして根元を保護してあげましょう。寒さが本格的になる前に根元を保護したり、避難場所を作ってあげることで、春にまた元気な芽を出してくれます。

  • 霜が降りる日は不織布をかけるなどして保護する
  • 寒風が直接当たらない場所に鉢を移動させる
  • 冬は水やりをさらに控えめにして、乾燥気味に保つ

日照不足になると茎が細くひょろひょろに伸びる

もしタイムが横に広がらず、細い茎が上にばかり伸びて、葉っぱの間隔が広くなっていたら、それは「もっと光をちょうだい」というサインです。これを徒長(とちょう)と言います。

光を求めて無理に背を伸ばしている状態で、非常に弱々しく、病気にもかかりやすい状態です。すぐに今よりも明るい場所に移動させ、伸びすぎてしまった茎を半分くらいに切り詰めて、脇芽が出るのを促してあげましょう。

  • 室内から日当たりの良い屋外へ移動させる
  • ひょろひょろの茎は思い切ってカットする
  • 日光を均等に当てるために、時々鉢の向きを変える

タイムの香りを活かす収穫と保存の方法

タイムを育てる最大の楽しみは、なんといってもその素晴らしい香りです。料理に使ったり、お茶にしたりと活用法は無限大ですが、実は「いつ収穫するか」でその香りの強さが全く変わってきます。一番贅沢に香りを楽しめるタイミングと、長持ちさせる保存のコツを知っておきましょう。

香りが一番強くなる開花直前の時期に収穫する

タイムの葉に含まれる香りの成分(精油)が、一年の中で最も増えるのは、小さな花が咲く直前です。この時期のタイムは、指で少し触れるだけで目が覚めるような鮮烈な香りが漂います。

花が咲き始めると、エネルギーが花のほうに行ってしまい、葉っぱの香りは少しずつ弱くなっていきます。最高の香りを手に入れたいなら、小さな蕾(つぼみ)が見え始めた絶好のタイミングを逃さずに収穫してください。

  • 花が咲く直前の「蕾」の時期を狙う
  • 株を弱らせないよう、全体の3分の1程度を収穫する
  • ハサミを使って茎ごと切り取る

湿気のない晴れた日の午前中に摘み取る

収穫する日の天気も重要です。雨の日や、雨上がりの湿った状態で収穫すると、葉っぱに水分が多く含まれているため、保存するときにカビやすくなってしまいます。

また、太陽が昇って気温が上がりすぎると、香りの成分が空気中に蒸発してしまいます。数日晴れが続いた日の、朝露が乾いた直後の午前中に収穫するのが、最も香りを濃縮した状態で閉じ込める秘訣です。

  • 晴天が続いた日の午前中に収穫する
  • 朝露が完全に消えてから作業する
  • 水洗いはせず、汚れを軽く払う程度にするのが香りを残すコツ

風通しの良い日陰で吊るしてドライハーブにする

収穫したタイムを長く楽しむなら、ドライハーブにするのが一番簡単です。数本を束ねて麻紐などで結び、逆さまに吊るしておくだけで、1〜2週間ほどでパリパリに乾きます。

直射日光に当てると葉の色が茶色く退色してしまうので、必ず風通しの良い日陰で乾かしてください。完全に乾燥したら葉っぱを茎から外し、密閉容器に乾燥剤と一緒に入れておけば、1年近く素晴らしい香りを楽しむことができます。

  • 数本ずつ小分けにして束ねる
  • 直射日光の当たらない、風の通る日陰に吊るす
  • 完全に乾いたら手でパラパラと崩して小瓶に保存する

オリーブオイルや塩に漬けてキッチンで活用する

乾燥させる以外にも、生のタイムをそのまま調味料に漬け込む方法もおすすめです。オリーブオイルに数本のタイムを沈めておくだけで、香りがオイルに移り、パスタやサラダに最適な「ハーブオイル」ができあがります。

また、粗塩と一緒に瓶に入れておけば、お肉やお魚を焼くときに大活躍する「ハーブソルト」になります。フレッシュな香りをオイルや塩に閉じ込めることで、毎日の料理がワンランクアップする魔法の調味料が手軽に作れます。

  • 洗って水気を完璧に拭き取ったタイムを使う
  • オリーブオイルに漬けて冷暗所で保存する
  • 塩と交互に重ねて「タイム塩」を作る

まとめ:タイム栽培で香りのある暮らしを

タイムは少しのコツさえ掴めば、驚くほど簡単に育てられ、どんどん増やすことができるハーブです。何よりも大切なのは、**「太陽の光をたっぷり当てること」と「風通しを良くして湿気を逃がすこと」**の2点です。

この記事のポイントを振り返ってみましょう。

  • 植え付けは15〜25度の過ごしやすい春か秋に行う
  • 水やりは「土が完全に乾いてから」を徹底し、根腐れを防ぐ
  • 梅雨が来る前に半分くらいの高さまでバッサリ剪定する
  • 挿し木や株分けは、肥料のない清潔な土を使って優しく行う
  • 夏の高温多湿と冬の霜から守る場所選びを意識する
  • 収穫は開花直前の午前中が最も香りが強い

タイムがそばにあると、料理の幅が広がるだけでなく、その爽やかな香りで心もリフレッシュされます。まずは一鉢から始めて、お庭やベランダをタイムの香りでいっぱいにしてみてくださいね。

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