季節の花

バラのトゲを安全に取る方法は?トゲなしやトゲの少ない品種一覧を紹介

バラの花束をもらったり、庭で育て始めたりした時、一番困るのが「鋭いトゲ」ですよね。綺麗だなと思って手を伸ばした瞬間にチクリと刺さると、せっかくの気分も台無しになってしまいます。この記事では、トゲで怪我をしないための取り方のコツや、最初からトゲがなくて扱いやすい品種をわかりやすく紹介します。これを読めば、もうバラのトゲを怖がる必要はありません。

バラのトゲを安全に取る方法は?

「バラにはトゲがあるもの」と諦めていませんか。実は、お花屋さんやプロのガーデナーは、専用の道具やちょっとしたコツを使って、安全にトゲを取り除いています。茎を傷めずにトゲだけを綺麗に落とす方法を知っておくと、花瓶に生ける時も格段に楽になりますよ。

専用のトゲ抜き器で滑らせる

トゲ抜き器は、別名「ストリッパー」とも呼ばれる便利な道具です。使い方はとても簡単で、トゲがついている茎を道具の間に挟み、そのまま下に向かってスーッと滑らせるだけです。これだけで、硬いトゲがポロポロと面白いように落ちていきます。

一度にたくさんのバラを処理したい時にとても役立ちます。ただし、力を入れすぎると茎の表面まで削ってしまうことがあるので、優しく添えるように動かすのがコツです。金属製やゴム製など種類がありますが、慣れないうちは茎を傷つけにくいゴム製を選ぶと安心ですよ。

  • 道具の名前:ストリッパー(トゲ抜き器)
  • 使い方:茎を挟んで一定の力で引く
  • 注意点:節の部分で引っかからないよう慎重に動かす

ハサミやカッターで根元から削る

家にある道具で済ませたいなら、ハサミやカッターを使うのが一番手軽です。トゲの根元に対して刃を水平に当て、横から押し出すようにして切り落とします。この時、茎の中に刃が食い込まないように注意しながら、トゲの出っ張りだけを削り取るイメージで動かしてください。

ハサミでトゲを「パチン」と挟んで切ろうとすると、茎を潰してしまうことがあります。茎が潰れると水の吸い上げが悪くなって花が早く枯れる原因になるため、**必ず「削ぎ落とす」という動作を意識してください。**カッターを使う場合は、自分の方へ刃を向けないように気をつけて作業しましょう。

厚手の軍手をして指で弾き飛ばす

意外と知られていないのが、指を使ってトゲを折る方法です。バラのトゲは横からの力に弱いため、親指でトゲの横をポンと叩くだけで、簡単に根本から外れることがあります。特に乾燥しているトゲや、成熟した茎についているトゲはこの方法がスムーズです。

ただし、素手でやるのは絶対にやめてください。目に見えない小さなトゲが刺さることもあるので、必ず厚手の軍手や革手袋をはめてから行いましょう。バラの扱いにある程度慣れてきたら、この方法が一番早くて道具も汚れないのでおすすめですよ。

トゲを取る時に用意したい便利な道具

バラのお手入れを楽しく続けるためには、道具選びがとても大切です。普通の園芸用品でも代用はできますが、バラ専用に作られたものは使い心地が全く違います。自分の指先を守り、大切なバラを長持ちさせるために揃えておきたいアイテムを具体的にまとめました。

針を通さない豚革や牛革の手袋

バラのトゲは布製の軍手くらいなら簡単に貫通してしまいます。そのため、トゲを気にせず作業するには、厚みのあるレザー製の手袋が欠かせません。豚革は柔らかくて指を動かしやすく、牛革はより厚手で丈夫という特徴があります。

「庭仕事をするだけだから」と薄手の手袋で済ませていると、思わぬところで深い傷を負ってしまうかもしれません。特に枝を誘引したり、古い枝を切り落としたりするハードな作業には、手首までしっかり隠れるロングタイプの革手袋を用意しておくと安全ですよ。

茎を傷つけにくいゴム製のストリッパー

お花を花瓶に生けるための下処理には、ゴム製のストリッパーが最も適しています。金属製のものに比べて当たりが柔らかいため、バラの命である「茎」を傷つける心配がほとんどありません。

道具の名前主な素材特徴向いている人
ゴム製ストリッパー合成ゴム茎を傷つけにくく、手にフィットする初心者や、大切な切り花を扱う人
金属製ストリッパーステンレス・鉄耐久性が高く、硬いトゲも楽に落ちる大量のバラを一度に処理するプロ
プラスチック製樹脂軽くて安価。水洗いが簡単手軽に道具を揃えたい人

ゴム製は摩擦の力を使ってトゲを落とすため、無理な力をかけずに作業できるのが強みです。プロのフローリストも愛用していることが多く、1つ持っておくだけで水揚げの作業がぐっと快適になります。

切れ味の鋭い清潔な剪定バサミ

バラの茎は繊維がしっかりしているため、切れ味の悪いハサミを使うと断面がボロボロになってしまいます。トゲを削ぐ際も、刃こぼれしているハサミでは上手くいきません。バラ専用の剪定バサミは、少ない力でスパッと切れるように設計されています。

また、ハサミの清潔さも忘れてはいけないポイントです。汚れたハサミでトゲを取ると、その傷口からバイ菌が入ってバラが病気になってしまうことがあります。使い終わったら汚れを拭き取り、時々消毒することで、お花もハサミも長持ちさせることができますよ。

トゲなしのバラでおすすめの品種

「トゲがあるからバラを育てるのを迷っている」という方にぜひ知ってほしいのが、トゲが全くない、あるいはほとんどない品種です。これらは「ノンスパイン」や「ソーンレス」と呼ばれ、小さなお子さんやペットがいるご家庭でも安心して楽しめます。

庭がパッと明るくなるモッコウバラ

トゲがないバラとして世界的に有名なのが「モッコウバラ」です。春になると、小さな可愛らしい花を株いっぱいに咲かせます。このバラにはトゲが全くないので、素手で触っても大丈夫です。公園のフェンスや家の壁面を飾るつるバラとして、日本でも非常に人気があります。

黄色と白の2種類がありますが、どちらも非常に丈夫で、初心者でも枯らす心配が少ないのが嬉しいポイントです。病気にも強く、どんどん枝を伸ばして成長するため、初めてバラを育てるならこれ以上ないほどおすすめの品種ですよ。

  • 色:黄色(キモッコウ)、白(シロモッコウ)
  • 特徴:トゲが全くない、一季咲き(春のみ)
  • 香り:白は微香、黄色はほとんどなし

甘い香りが漂うゼフィリーヌ・ドルーアン

「トゲがないけれど、しっかりバラらしい花を楽しみたい」という方には、ゼフィリーヌ・ドルーアンがぴったりです。こちらはオールドローズという種類に分類される、歴史のあるバラです。つるがしなやかで、トゲを気にせず思い通りの方向に枝を固定できるのが魅力です。

鮮やかなピンク色の花が咲き、近くを通るだけでふわっと甘い香りが漂います。トゲがないので、玄関先や通り道に植えても、服を引っ掛けたり通りがかりの人を傷つけたりする心配がありません。

切り花にも向いているスムースレディ

スムースレディは、その名の通り「スムース(滑らか)」な茎を持つハイブリッド・ティー系のバラです。品種改良によってトゲがほとんど出ないように作られています。切り花としても優秀で、花瓶に飾る際の手間がほとんどかかりません。

凛としたピンク色の大きな花が1輪ずつ咲く姿はとても美しく、気品があります。「バラは好きだけど、飾る時のトゲ取りが面倒くさい」と感じている方にとって、まさに理想的な品種と言えるでしょう。

トゲの少ない品種一覧で見つかる育てやすい花

完全に「ゼロ」ではなくても、トゲが非常に少なくて扱いやすいバラは他にもたくさんあります。これらは手入れの際に見つけたら取る程度で済むため、ガーデニングのハードルがぐっと下がります。見た目の美しさと扱いやすさを兼ね備えた、優秀なバラを紹介します。

白い花びらが美しいアイスバーグ

アイスバーグは「氷山」という意味の名前を持つ、世界中で愛されている名作です。真っ白で純粋な花が次々と咲き誇り、その美しさは殿堂入りするほどです。このバラはトゲがとても少なく、あっても小さくて柔らかいのが特徴です。

枝が細くてしなやかなので、初心者でも剪定や誘引がしやすく、トゲで苦労することはほとんどありません。どんな庭にも馴染む白バラで、病気にも強いので、迷ったらこれを選べば間違いありません。

鉢植えでも楽しめるボレロ

ボレロは、コンパクトな樹形でベランダなどの狭いスペースでも育てやすいバラです。中心がほんのりピンクがかった白い花が咲き、フルーツのような素晴らしい香りがします。トゲが控えめなので、日常のちょっとしたお手入れも苦になりません。

四季咲き性が非常に強いため、春から秋まで何度も花を咲かせてくれます。「香りが良くて、トゲが少なくて、たくさん咲くバラが欲しい」という贅沢な願いを全て叶えてくれる、非常に優秀な品種ですよ。

トゲを気にせず誘引できるボニカ82

ボニカ82は、とにかく丈夫で手間いらずなことで知られるピンク色のバラです。トゲが少なめなので、アーチやオベリスクに枝を巻きつける作業がとても楽に行えます。トゲが多いバラだと誘引作業は「格闘」のようになりますが、ボニカなら楽しく作業が進みます。

花付きが抜群に良く、小さな花が房になってたくさん咲く姿は見応えがあります。特別な手入れをしなくても元気に育ってくれるので、忙しくてあまり庭に時間が取れない方にもぴったりなバラです。

バラのトゲで怪我をしないための対策

バラのトゲを扱う時は、単に「痛い」だけで済まないこともあります。実は土の中にはいろいろな菌が住んでいて、トゲの傷から体に入ってしまうことがあるからです。安全にバラを楽しむために、作業前に知っておくべき大切なルールをまとめました。

土に潜むバイ菌の侵入を防ぐ

バラのトゲによる怪我で最も注意したいのが「スポロトリコーシス」という皮膚病です。これは土や植物に潜んでいる真菌(カビの一種)が、トゲの刺し傷から入り込んで起こる病気です。小さな傷だと思って放置していると、腫れが広がってしまうことがあります。

ガーデニングをする際は、必ず手袋を着用して、菌が入り込む隙間を作らないことが重要です。もしトゲが刺さってしまったら、すぐに傷口を水道水でよく洗い流し、清潔に保つように心がけてください。

子供やペットが触れない場所に配置する

家族みんなが安全に過ごすためには、バラを植える場所や飾る場所にも工夫が必要です。トゲがある品種を育てる場合は、子供が走り回る場所やペットが通りかかる道筋を避けて配置しましょう。

例えば、花壇の奥の方に植えたり、鉢植えなら少し高い台の上に置いたりするだけでも、不意な接触を防げます。「美しいバラにはトゲがある」ということを理解していない家族がいる場合は、トゲのないモッコウバラなどを選んであげるのが一番の優しさかもしれませんね。

落ちたトゲや枯れ枝もすぐに処分する

剪定した後の枝や、掃除で取ったトゲをそのまま地面に放置しておくのは危険です。バラのトゲは枯れても鋭さが変わらないため、靴の底を突き抜けたり、かがんだ拍子に足に刺さったりすることがあります。

作業が終わったら、落ちた枝やトゲをほうきで丁寧に集めて、すぐにゴミ袋へ入れましょう。トゲが袋を突き破ってゴミ収集の人を傷つけないよう、新聞紙に包んだり、厚紙の箱に入れたりしてから捨てるのが大人のマナーですよ。

バラのトゲを取る時のメリット

「トゲを取るのはかわいそう」と思うかもしれませんが、実はトゲを取ることは、飾る人にとってもバラ自身にとってもプラスの面が多いのです。特に花瓶に生けて楽しむ場合は、あらかじめトゲを取り除いておくことで、バラの寿命を延ばすことができます。

花瓶の水をきれいに保てる

バラのトゲをそのままにして花瓶に生けると、水に浸かった部分のトゲやその周りから細菌が発生しやすくなります。水が汚れると茎の導管(水を吸い上げる管)が詰まってしまい、お花に水が行き渡らなくなります。

水に浸かる範囲のトゲを取り除いておくだけで、水の腐敗を遅らせることができます。「毎日水を変えているのにすぐ枯れる」という方は、ぜひ一度、下の部分のトゲを綺麗に取り除いてから生けてみてください。

水揚げが良くなって花が長持ちする

トゲを適切に処理すると、バラが水を吸い上げる力、つまり「水揚げ」がスムーズになります。トゲがついたままだと、飾っている最中に隣の茎とぶつかって傷がつき、そこから水分が漏れたり空気が入ったりすることがあります。

茎の表面をなめらかに整えてあげることで、バラは無駄なストレスなくお水を飲むことができます。結果として、大輪の花を最後まで力強く咲かせることができるようになり、お花のある生活をより長く楽しめるようになりますよ。

飾る時や持ち運ぶ時のストレスが減る

花束を作ったり、花瓶に複数のバラを生けたりする時、トゲ同士が引っかかってうまく形が整わないことがありますよね。無理に引き離そうとして花首が折れてしまった経験がある方も多いはずです。

事前にトゲを取っておけば、バラを束ねる作業が驚くほどスムーズになります。プレゼントとして誰かに渡す際も、受け取った相手が痛い思いをしないようにトゲを処理しておくのは、贈る側の素敵な気遣いと言えますね。

初心者でもできるバラの扱い方

最後に、バラを手に入れたばかりの方が今日から実践できる、基本的な扱い方のコツを紹介します。プロのような完璧な道具がなくても、ポイントさえ押さえればバラと上手に付き合っていくことができます。

束ねる前に下処理を終わらせる

バラを花瓶に生ける時、いきなり生け始めるのではなく、まずは全ての茎のトゲと下の方の葉っぱを取り除く「下処理」を最初に行いましょう。バラが重なった状態でトゲを取ろうとすると、自分を刺してしまったり花びらを傷つけたりするからです。

1本ずつ手に取り、作業しやすい環境を整えてからスタートするのが怪我をしない一番の近道です。テーブルの上に新聞紙を広げて、その上で1本ずつ丁寧に向き合う時間は、お花を愛でる贅沢なひとときになりますよ。

茎の皮を剥きすぎないように加減する

トゲを取る時にやりがちな失敗が、茎の皮までベリッと剥いてしまうことです。バラの茎の表面には、水分を蓄えたり外敵から守ったりする役割があります。皮を剥きすぎると、そこから水分が蒸発して、お花が弱りやすくなってしまいます。

トゲ抜き器を使う時も、ハサミで削る時も、**あくまで「トゲの突起」だけを狙うようにしてください。**もし皮が剥けてしまったら、その部分はできるだけ水に浸からないように生けてあげると、腐敗を防ぎやすくなります。

刺さってしまった時の正しい処置

もしもトゲが刺さってしまったら、焦って無理に指で抜こうとしないでください。皮膚の中にトゲの先端が残ってしまうと、後で炎症を起こして痛みが長引くことがあります。まずは落ち着いて、清潔なピンセットを用意しましょう。

刺さった角度を確認して、逆方向にそっと引き抜きます。**抜けなくなった時や、赤く腫れて熱を持ってきた時は、早めにお医者さん(皮膚科)に相談してくださいね。**早めの処置が、ガーデニングを長く楽しむ秘訣です。

まとめ:トゲを怖がらずにバラのある生活を楽しもう

バラの美しさは格別ですが、そのトゲに悩まされるのも事実です。でも、適切な道具を選び、正しい取り方を知っていれば、トゲは決して怖いものではありません。また、最初からトゲが少ない品種を選ぶことで、もっと気軽にバラを暮らしに取り入れることができます。

  • トゲ抜き器や革手袋など、安全を守る道具をケチらず用意する。
  • 茎を潰さないように、トゲは「切る」のではなく「削ぐ」か「弾く」。
  • モッコウバラやアイスバーグなど、トゲの少ない品種を賢く選ぶ。
  • 水に浸かる部分のトゲを取ると、お花が驚くほど長持ちする。
  • 土のバイ菌に注意し、怪我をしたらすぐに洗い流して清潔にする。
  • 落ちたトゲの処分までしっかり行うのが、安全な庭づくりの基本。

バラのトゲは、自分を守るための大切な武器。その性質を優しく理解してあげれば、バラとの時間はもっと豊かで心地よいものになります。ぜひ、お気に入りの1本を見つけて、トゲを気にせずその香りと美しさに癒されてくださいね。

-季節の花